動物病院での就業規則作成方法について押さえておきたいポイント!
就業規則というのは、会社の法律です。何かあってからの作成では、とても間に合わないものです。就業規則作成義務のある会社をはじめ、また、作成義務が無い会社も、できれば就業規則を備え付けておくのがお勧めです。ここでは、動物病院での就業規則作成方法について押さえておきたいポイントをお伝えします。
就業規則とは?

就業規則の基本
私達が生活している日本は、安心して住めるいい国のイメージが大きいですよね。その理由には様々な要因がありますが、法律の整備、そして、それに基づく行政機関、これらがしっかり機能を成している点が大きな理由として挙げられる点です。これは、企業でも同じことが言え、従業員を公平統治する為には規定されたルールは必要不可欠です。もし、ルールの規定が無ければ、現場の秩序と言うのは生まれません。社会では色々な人がいて、その価値観も様々、同じ職場で働く従業員もそれは同様です。会社の理念だけで、従業員を束ねても上手くはいきません。しかし、大きい組織になってくると、運営する際には会社としての明確なルール無しで会社として運営していくことはできません。
日本の法律と言うのは、民事・刑事・行政など多岐に渡り、また、就業規則に関してもあらゆる分野を司っています。しっかりとした就業規則を作成することによって、規則にとってどう対応するべきか判断していくことができます。
就業規則の目的
就業規則の目的には、賃金未払い、労働時間、退職金、有給休暇など、様々な労働問題が生じることがあります。このような、事業主と従業員の間のトラブル防止対策として、就業規則は設けられているものでもあります。会社を守ったり従業員を安心させたりする為にも、必要な規則と言えます。また、会社を今まで以上に発展させていく為にも、就業規則を基に理念や価値観などをしっかり従業員へ発信することも大事です。こうした多様な目的が就業規則にはあることから、就業規則は設けるべき大事な規則となっています。
就業規則を作成する義務とは?

就業規則の作成義務
就業規則の作成義務ですが、労働基準法第89条で10人以上の労働者を使用する場合には、就業規則を作成して政官庁に届を出すことが義務です。作成義務と届出義務の二つを行う必要があるので、くれぐれも忘れないように気をつけて下さい。また、提出したからと言って、行政の承諾を得た訳ではありません。提出した就業規則内容で、もしも、法に触れる実態がある場合には、労働基準法第92条で行政官庁によって変更を命じることができます。
就業規則の作成費用
就業規則に関しては、労働基準監督署にてモデル就業規則があり、また、webでも入手可能です。社会保険労務士などの専門家に依頼する場合には、約30万円程度の費用がかかってくることも覚えておきましょう。依頼するのであれば、顧問契約まで含んだお願いがお勧めです。
就業規則の作成義務範囲
就業規則の作成義務と言うのは、事務所や店舗ごとで設けるものになります。常に労働者が10人以上になる場合には、必ず就業規則を作成して行政官庁への届け出が必要です。また、10人未満の場合には、特に就業規則は義務にはなりませんが、作成しておくことが望ましいです。そして、就業規則は必ず全労働者へ適用されることが必要になります。
就業規則の作成方法とは?

先ずは、作成の事前準備を行うことが重要です。その為には現状の把握を行います。現場の現状の把握を行う為には、情報収集と分析です。労務管理に関する資料や帳票などを取集し、労働条件実態や従業員の勤務実態など、しっかり把握することが大事になってきます。そして、その上で就業内容を検討していきましょう。就業内容と一言で言っても、パート・アルバイト・正社員と言うように、雇用形態が異なる従業員を分類し、現在、就業に関して問題視されていること、改善したいこと、トラブルになりそうなことなど、事例を洗い出しておくことが大切です。なので、その為にも意見徴収を行い、労働者代表を選出して原案確認をし、意見書作成を行い業務内容を検討していくことがポイントです。
就業規則の作成方法ポイントとは?

就業規則はどんな時に役に立つのか
目的が無いまま就業規則を作成してしまうと、従業員へおかしな権利だけ与える結果になってしまいます。就業規則と言うのは会社のルールであり、従業員が守るべき義務を記載したものになります。しかし、経営者から見て、ルールに従っていない、ルールブックに記載されていない場合、従業員の権利侵害に該当しているとも言えます。しかし、会社でルールをしっかり記載した就業規則があれば、会社も明確なルールに基づき、従業員に罰則や手続きを踏んでもらうことができます。
賃金規程は作る必要は無い
会社には色々と規程があり、その中に賃金規程があります。この賃金規程は、結論から言うと特に作る必要はないです。しかし、就業規則に賃金規定は必要になります。それは、賃金規程は法律上で就業規則の一部となっているからです。なので、法律上、就業規則の一部を独立させた賃金規程に関しても、労働基準法上では就業規則になることを覚えておきましょう。
就業規則での決定事項
就業規則の内容では、絶対的記載事項と相対的記載事項この2つに分野が分けられます。これは、記載が必要な内容と、ルール決めは無くとも決定事項は記載する内容に分かれます。前者の方は、就業時間・日、休憩、賃金、退職、解雇などに関わる事項になっており、解雇に関しては、詳細に理由を記載する必要が求められます。日本においては労働者保護の観点から、解雇自由度は大きく制限されているのが現状です。そこで気を付けておきたいのが、制度として確立していないルールを制度として決めた場合、定めるべき内容には退職金、賞与などが挙げられます。しかし、退職金や賞与を支払うことがあるかもしれない程度では、制度が確立しているとは言えません。業績ごとでの賞与であれば、敢えて就業規則記載の必要はありません。
従業員の意見
法律上、従業員の意見聴取は就業規則届出をする場合、必要になってきます。従業員代表の意見書添付が定められていますが、意見書の内容と言うのは、特に就業規則内容には影響することは一切ありません。これは、あくまでも経営者が用意するもので、従業員の意見聴取した上で内容修を正することに不都合があると言うことではないです。ポイントは、経営者が定めることが絶対で、就業規則自体を忘れてはいけません。
その他
就業規則の決定事項が決まったら、従業員公開も忘れてはいけないことです。中には、敢えて公開しない方もいますが、就業規則と言うのは、法律上で要件を満たしているとは言えません。ルールは公開され認知されてこそ、規則としての役割を果たすことができるものになります。
まとめ
ここでは、動物病院での就業規則作成方法について押さえておきたいポイントをお伝えしてきましたが、いかがでしたか?就業規則がない、或いは、人数の少ない、そんな動物病院の方がおられましたら、是非、就業規則を導入することをお勧めします。就業規則で労務ルールがあるからこそ、日頃から円滑に物事を進めていける要因に繋がります。何かかが起こってトラブルになる前に、就業規則をしっかり作っておきましょう。